関連ニュース

関連ニュースのご紹介

うつ自殺(自死)一転、公務災害 異動で負担、残業短くても

http://www.47news.jp/CN/201005/CN2010052101000853.html

 愛知県豊川市の職員堀照伸さん=当時(55)=が部署の異動直後にうつ状態になり自殺(自死)したのは「公務による労災」として妻しずえさん(62)が、「公務外」とした地方公務員災害補償基金の決定取り消しを求めた訴訟の控訴審判決で、名古屋高裁は21日、一審判決を取り消し、公務災害と認定した。
 高田健一裁判長は、うつ病になり自殺(自死)したのは公務に起因と認定。「仕事が難しい児童課に異動直後から、早急な対策が必要な事案が複数あり、心理的負荷は相当だった」と述べた。残業時間は、異動直後で亡くなる前の月が32時間だったが、「時間が少なくても、心理的負担の大きさは変わらない」とした。
 一審判決が否定した堀さんの部下に対する上司の高圧的な言動をパワーハラスメントと認定。「部下がパワハラを受けた場合、責任を感じるのは自然」として、堀さんの心理的負担を認めた。
 心理的負担の程度は「労働者の立場や性格は多様で受け止め方に幅がある」と述べ、堀さんがうつ病になりやすい性格だったとして、因果関係を否定した一審判決の根拠の一つを退けた。

(波多野弁護士の一言コメント)
この判決の意義は二つあると思います。一つは、一般的に長時間労働がある事案の方が公務災害と認められやすいですが、本件のように直前で32時間と、残業時間が短い事案でも認められたこととです。
二つめは、被災者ご本人に対する高圧的な言動ではなく部下に対する言動(パワハラ)であっても、それが心理的負荷となることを、適正に認めたことです。
ここからもわかるように、労災(公務災害)の認定は、必ずしも杓子定規に決まり切っているわけではありません。あきらめずに、一度はこの分野に詳しい弁護士にご相談されることをおすすめします。

∧ページのトップへ

塩釜のトラック運転手自殺(自死):労災認定、不支給処分を取り消し /宮城

 トラック運転手の夫が過労でうつ病になり自殺(自死)したとして、塩釜市の早坂百合江さん(45)が請求した労災補償について、宮城労働者災害補償保険審査官が、不支給とした09年4月の仙台労基署の処分を取り消し、労災認定していたことが15日、分かった。
 早坂さんの弁護人らによると、夫勇希さん(当時41歳)は01年から大衡村の運送会社に勤務し、4トンユニック車で運送と搬出搬入の業務を担当していた。08年から富山県や静岡県など遠距離地が担当エリアに加わり業務が増加。勇希さんは同年9月、勤務先の駐車場で自殺(自死)しているのを発見された。死亡後、うつ病だったことが判明したという。
 審査官は恒常的な長時間労働や担当エリアの拡大などが強い心理的負荷になったと判断。また、仙台労基署が平均60時間とした自殺(自死)前半年間の毎月の時間外労働を、100時間前後と認定し、拘束時間は毎月300時間を超えていたと認めた。【須藤唯哉】

(古川弁護士からの一言コメント)
①精神疾患の事案でも、長時間労働、特に月100時間以上の時間外労働時間があると認められれば、業務起因性を認められやすくなること、②労働基準監督署が認定した時間外労働時間も、審査請求で争う中で変更できる場合があること、などを示した良い事例だと思います。

∧ページのトップへ

労災認定訴訟:「自殺(自死)は労災」認定 NEC部長「重責でうつに」--東京地裁判決

 NECの部長だった男性(当時52歳)がうつ病を発症して00年に自殺(自死)したのは過重労働が原因として、妻(54)=東京都稲城市=が、労働災害を否定し遺族補償年金の支給を認めなかった三田労働基準監督署の処分取り消しを求めた訴訟で、東京地裁は11日、労災と認め、処分取り消しを命じる判決を言い渡した。青野洋士裁判長は「自殺(自死)と業務に因果関係があった」と述べた。
 判決によると、ソフトウエア開発関連部署の部長だった男性はうつ病を発症し、00年2月「万策尽きました。会社へ 責任をとります」との遺書を残し自殺(自死)した。
 旧防衛庁調達実施本部の背任事件(98年)の影響で99年3月期、約2200億円の赤字を計上したNECは当時、収益の見込めない部署を整理する方針だった。男性の部署は検討対象とされ、判決は「責任者だった男性に、うつ病を発症するほど重い心理的負荷を与えた。(残業時間が月平均約100時間を超え)極度の長時間労働だった」と指摘した。
 妻は会見で「無念を晴らせた。二度とないような施策を国や会社は考えてほしい」と語った。【銭場裕司】

(古川弁護士の一言コメント)
残業時間の多さもさりながら、リストラ対象の部署担当の管理職であったということでの心理的負荷は相当なものであったかと推察します。
ご遺族である奥様のコメントに「無念を晴らせた。」とあります。
過労死・過労自殺(自死)事件を取り組む中で実感するのは、この問題は、仕事で斃れた方とそのご家族の、名誉と尊厳を取り戻す営みであるということです。亡くなられた方は残念ながら戻っては来ませんが、その方の生きた証をたどることで、せめてそれらを回復するためのお手伝いをさせていただいていると考えています。

∧ページのトップへ

名ばかり管理職認定、残業代加算命じる 大阪地裁が判決

 建築設備メーカー(東京)の「専任課長」と呼ばれるポスト時代に脳卒中で倒れ、過労で労災認定された大阪府の50代男性が「十分な裁量権が与えられない一方で残業代が出ない『名ばかり管理職』だった」として、支給済みの賃金だけをもとに労災給付額を決めた国の処分取り消しを求めた訴訟の判決が3日、大阪地裁であった。中村哲裁判長は、男性を「名ばかり管理職」と認め、残業代を加算しなかったのは違法と判断して処分を取り消した。
 労働問題に詳しい原告代理人の松丸正弁護士によると、「名ばかり管理職」をめぐり、残業代相当額を加算して労災給付金を算定するよう事実上命じた判決は全国初。
 判決によると、男性は、近畿地方の工場で機械設備工事の現場責任者を務めていた2005年、自宅でくも膜下出血を発症して寝たきりとなり、07年に地元の労働基準監督署から過労による労災と認定された。療養中、1日あたり約1万3千円の労災給付(休業補償など)を受給することも当時決まった。
 判決は、発症当時、男性には技術部門の「専任課長」の肩書があったが、部下への人事権がなかった点や、発症2カ月前の月間労働時間が291時間に達していたことを指摘。男性は労働基準法で残業代支給が免除される「管理監督者」にあたらず、残業代の請求権があると判断した。(阪本輝昭)

(古川弁護士の一言コメント)
時間外労働があった場合には、残業代を支払うのが大原則で、例外は限定的にしか認められません。「管理監督者」にあたる、というのが数少ない例外の一つですが、「名ばかり管理職」の形式で、サービス残業が横行している残念な現状があります。
労災認定の場面では、給付基礎日額の問題として関係してきますが、労働基準監督署も、安易に「管理監督者」と認定して、給付基礎日額に時間外労働分を算入しない扱いをする場合があります。
この場合、認定に不服であれば申立によって日額を変更させることができます。
給付基礎日額の問題は、ご本人や残されたご家族のこれからの生活を支える大切な問題ですので、一度はご検討されることをおすすめします。 ただし、異議申立期間の制限があるのでご注意下さい。

∧ページのトップへ

佐川係長の自殺(自死)を労災認定 新潟

http://sankei.jp.msn.com/region/chubu/niigata/100225/ngt1002252146004-n1.htm

 昨年5月、佐川急便新潟店(新潟市西区)の男性係長=当時(42)=が自殺(自死)した問題で、新潟労働基準監督署が過重労働が原因の労働災害だったと認定したことを、男性の遺族側弁護士が公表した。
 弁護士によると、労基署は男性が月100~200時間超の残業をするなど過重労働で鬱病(うつびょう)を発症、自殺(自死)したと認定したという。
 遺族側は長時間労働と上司によるパワーハラスメントが自殺(自死)の原因だったと訴えていたが、労基署は長時間勤務の実態から労災は明らかとしてパワハラの有無については言及しなかった。
 遺族は今後、会社に対し、過重労働とパワハラによる自殺(自死)だったとして損害賠償を求めていくという。

(古川弁護士の一言コメント)
過労自殺(自死)や精神障害による労災認定は、ストレス度の高い「出来事」があったかどうかが大きな判断ポイントである、というのが判断指針です。 しかし、昨今、長時間勤務の実態がひどい場合には、そのこと自体を重く見て業務起因性を認め、労災認定を行なうケースが出ています。判断指針を形式的にあてはめるだけでないやり方は、好ましい方向だと思います。

∧ページのトップへ

高血圧悪化、過労死と認定 福岡

http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/100217/trl1002171933008-n1.htm

 大正製薬福岡支店(福岡市)に勤めていた夫=当時(42)=が2003年に死亡したのは過労死として、妻が福岡中央労働基準監督署の遺族補償不支給処分などの取り消しを求めた訴訟の判決で、福岡地裁は17日、業務で持病の高血圧が悪化して死亡したと判断し、請求を認めた。
 判決理由で岩木宰裁判長は「恒常的に相当な時間外労働を行い、休日も出勤していた。長距離で多数回の車での出張は、移動距離が1日約778キロに達することもあり、精神的、身体的負荷は重かった」と指摘。高血圧を悪化させ、くも膜下出血とみられる症状で死亡したと認めた。
 判決によると、鹿児島県を除く九州の営業担当だった男性は、03年6月に出張先の大分市のホテルで死亡。妻は労災認定を申請したが、翌年10月に退けられた。

(古川弁護士の一言コメント)
①高血圧などの基礎疾病があったとしても労災と認められる可能性が十分にあることや、
②長距離出張などを行っていた場合の精神的・身体的荷重の重さが考慮されること、
など、あきらめないでチャレンジしていただくことの大切さを示唆した判決だと思います。

∧ページのトップへ

過労で寝たきり、会社側に1億9500万円賠償命令

 長時間の残業による過労がたたり寝たきりになったとして、鹿児島県鹿屋市の元レストラン店長松元洋人さん(35)と家族が、外食店を経営する康正産業(鹿児島市)に損害賠償を求めた訴訟の判決が16日、鹿児島地裁であった。山之内紀行裁判長は未払いの残業代や介護費として約1億9500万円の支払いを命じた。過労死弁護団全国連絡会議によると、全国の過労を巡る訴訟の中で最高額に匹敵する賠償額だという。
 判決によると、松元さんは同市の和食レストランで店長として勤務し、1カ月の残業は200時間に上っていた。04年11月、自宅で心室細動を起こし低酸素脳症を発症し、意識不明の寝たきり状態になった。
 康正産業は鹿児島県を中心に和食レストラン「ふぁみり庵」などを約50店舗を経営している。

(波多野弁護士からの一言コメント)
この事件は私が弁護団の一員として関わっており、本当に痛ましい事件です。現在係属中ですので詳しいコメントは控えさせていただきますが、事件が終結しましたら、具体的にご報告できると思います。

∧ページのトップへ

過労死損賠訴訟:1審判決変更し減額 業務との関係は認定--高裁 /福岡

 くも膜下出血で死亡した男性タクシー運転手(当時56歳)の遺族が、勤務先の「篠栗タクシー」(篠栗町)に損害賠償を求めた訴訟の控訴審で、福岡高裁は27日、約3600万円の支払いを命じた福岡地裁判決(08年10月)を変更し、同社に約2700万円の支払いを命じた。遺族は会社が高血圧と知りながら男性に過重勤務を強いたのが原因として、慰謝料など約7900万円を求めていた。
 森野俊彦裁判長は1審同様、業務と死亡の因果関係を認め、会社側に安全配慮義務違反があったと判断。そのうえで1審の認定額を減らした理由を「過重勤務に至った原因は、より多く収入を得たいという意思が大きく働いていたことは否めない」などと指摘した。
 判決によると、男性は91年5月から同社で勤務。03年6月にくも膜下出血で倒れ、翌7月に死亡した。倒れるまで約半年間の時間外労働は1カ月平均80時間を超えていた。死亡は労災認定された。【和田武士】

(古川弁護士からの一言コメント)
企業の安全配慮義務違反を認めた点では評価できますが、過失相殺の減額理由については首をかしげざるを得ません。 裁判所は時として、人間に対して厳しすぎる態度を示すことがあると感じるのは私だけでしょうか。

∧ページのトップへ

過労死企業公開訴訟:「社会的批判を」原告が陳述

 過労死や過労による病気で従業員が労災認定を受けた企業名の公開を国に求めた訴訟の第1回口頭弁論が26日、大阪地裁であった。飲食店店長だった夫(当時49歳)を過労自殺(自死)で亡くした原告の寺西笑子(えみこ)さん(61)=京都市=が「過労死や過労自殺(自死)をさせるのは企業犯罪。社会的批判にさらされるべきだ」と意見陳述した。国側は請求棄却を求めた。
 寺西さんは陳述で書面を力強く読み、「労災申請と民事訴訟を通じて事実の解明に10年以上もかかった。しかし、悲しみは深まり、今も心の傷が癒えない」と心情を吐露。「過労死や過労自殺(自死)をさせた企業には何の社会的制裁もない。公開によって若い人の企業選びに役立つ」と企業名公開の意義を訴えた。
 寺西さんは昨年3月、大阪労働局に情報公開請求したが、「個人の特定につながる」として開示されなかったため、不開示処分の取り消しを求めて提訴した。【日野行介】

(古川弁護士からの一言コメント)
過労死や過労自殺(自死)を起こした企業名が公表されれば、その企業は企業イメージが損なわれることになるでしょう。そのことによって、自社の従業員の働き方を省みる企業が出てくることは、過労死・過労自殺(自死)をなくす上で、非常に有意義だと思います。

∧ページのトップへ

自宅作業も業務と労災認定 心臓疾患死のマック店員

http://www.47news.jp/CN/201001/CN2010011801000733.html

 00年11月に心臓疾患で死亡した日本マクドナルド(東京)の男性社員の遺族が、労災と認めなかった処分は不当として国に取り消しを求めた訴訟の判決で、東京地裁は18日、「発症は業務が原因」として、請求通り処分を取り消した。
 渡辺弘裁判長は判決理由で、男性の時間外労働が発症前の1カ月間で少なくとも約79時間あったとしたほか、自宅でのパソコン作業なども業務に当たると判断。「強い業務の負荷に長期間さらされ、疲労の蓄積や過労が心臓の異常を引き起こした可能性が極めて高い」と指摘した。
 判決によると、男性は大学卒業後の1999年4月に入社。00年11月、川崎市内の店舗に出勤した直後に倒れ、病院に運ばれたが急性心機能不全で死亡した。遺族は川崎南労働基準監督署などに労災を申請したが「業務起因性が明らかではない」と退けられていた。

(古川弁護士からの一言コメント)
自宅での作業も事情によっては業務にあたり、労働時間に算入されうるとした点について、評価できる判決と言えるでしょう。

∧ページのトップへ

無料相談をする

お気軽にご相談・お問い合わせ下さい。「相談無料・秘密厳守」大阪:06-6365-5121/京都:075-394-6901,平日9:30~17:30

解雇・残業代相談.com